スノーボードの滑り方LV4 連続ターン6 ありがちな失敗

スノーボードの滑り方LV4 連続ターン6 ありがちな失敗

 みなさんこんにちは。エス氏です。連続ターンの練習は順調でしょうか?今回は改めて失敗しやすいポイントをご紹介したいと思います。

後傾

後傾2

 後傾は板だけが滑ってしまい、乗り手は置いてけぼりにされた状態、つまりバランスを崩しているということですね。後傾では板を操作する動きがスムースに伝わらないため、どうにかターンをするために、無理やり板を動かすことになりがちです。この無理矢理な動きは効率のいいターン技術習得の妨げになります。
 ターンは荷重抜重や視線、身体の捻りなどを利用して行うわけですが、無理矢理な動きとは、例えば後足を蹴り出すようにして板の向きを変える様な動作をいいます。
 後足を蹴り出しても板の向きを変えることが出来ますし、むしろその方がターンしやすかったりもします。しかし、後足を蹴り出すターンは初級レベル止まりの技術です。
 より質の高いターンであるカービングターンは、板のズレが少ないターンです。エッジがズレないように、板を押さえるという操作が必須になります。後足を蹴り出すターンでは、どうしてもエッジはズレてしまいます。この様な滑り方でどれだけ滑っても、質の高いターンにレベルアップすることはない、ということです。
 無理矢理な動作につながりやすい後傾とはさっさとおさらばしたいですね。スピードが出ると後傾になりやすいですので、慣れるまでは緩やかな斜面でスピードコントロールしながら練習するといいでしょう。
 自分が後傾になっているかわからない場合、手っ取り早いのは誰かに自分の滑りを撮影してもらうことです。撮影が出来ない場合は、滑っている最中の自分の重心の位置を意識してみましょう。斜面の上では、前足に体重が乗っている状態でようやく真っ直ぐでしたね。後足に体重がかかっていると感じたら、それは後傾ですな。

 後傾についてはLV3の記事も読み返してみて下さい。

エッジを切り替えるタイミングが早い

切り替えし

 慣れるまで、ターンは1ターンずつ丁寧に行なって下さい。初歩の段階では、1つのターンは板を直滑降に向ける前半と、エッジを切り替えてからの後半に別れます。板が直滑降の状態、つまり真下を向く前にエッジを切り替えると、逆エッジ状態になり板の回転が止まってしまいます。後は転ぶしかありませんな。
 焦って「板を回す」のではなく、板の上に乗っている自分が動けば、板も自分に合わせて動いてくれます。慌てずに1ターンずつ丁寧に滑って下さい。

視線

視線0
視線1
視線2
視線3

 ターン=板を回転させる操作をするために、視線が果たす役割は大きいです。バックサイドターンでは後ろを振り返るような視線の動きが、身体の捻りとなって板に伝わり、板を回転させます。
フロントサイドターンでは、ターン後半の視線が身体の回り過ぎを防ぎ、スムースなバックサイドターンへの切り返しにつながります。
 ありがちなのは、バックサイドでは足元を見てしまったりコースの下の方に視線が固定されてしまうことですね。フロントサイドでは足元や山側を見てしまうパターンが多いです。特にフロントサイドの山側を見るパターンは要注意です。ターン後半に足元や山側を見ると、写真のように身体と板が回り過ぎます。バックサイドからフロントサイドにエッジを切り返す前に、直滑降の状態で視線だけが山側に向いてしまう初心者さんは多いです。これは早く板を回そうと意識し過ぎているために起こる現象ですね。板は直滑降なのに視線は山側というのは、身体と板がバラバラの動きをしているということです。こうなると後継になってすぐに転んでしまいます。板が直滑降の状態なら、視線は進行方向の谷川を向いていないと行けないはずなんですよね。
 自分がどこを見ながら滑っているか、しっかりと意識して下さい。なんせ自分がどこを見ているかは、自分には見えているわけですから。

逆ひねり

逆ひねり
逆ひねり2

 逆ひねりとは板の回転する方向とは逆に身体を捻ることですね。逆ひねり自体は悪くはないのですが、逆ひねりでしか滑れないというのは問題だと思います。
 逆ひねりでしか滑れないことの問題点とは、身体の捻れに限界があるからです。足を固定した状態で上体を捻ると、エス氏の場合は90°くらいしか捻れません。体が柔らかくても180°捻れる人はいないでしょう。この上体を捻るという動作を行うと、下半身には上体とは逆方向に回ろうとする力が働きます。この上体と反対方向に働く力を利用して板を回そうとするのが、逆ひねりの滑り方になります。
 逆ひねりは上体を捻る際の反動を利用して板を回す動きなので、瞬間的に大きな力を入れやすく、板を素早く回転させることが出来ます。これは危険回避や急ブレーキする時の他、スピン系のトリックをする時などに便利な技術ですので、覚えておいて損はありません。
 しかしながら連続ターンの練習ではあまりやらない方がいいのですねー。
 その理由は2つあります。1つ目は、身体の捻りに限界があるということですね。限界まで捻った後は、身体を戻すしかありません。身体を戻す動きは、ターンが終わって次のターンに入ることになります。逆ひねりは上体を捻る反動で板を回す動きなので、瞬間的な力の入り方になります。少しずつ捻るというわけではないので、どうしてもターンのリズムは早く短くなりがちです。板と身体が同じ方向に回転する動きなら、少しずつ身体を回し、ターンのリズムや回転の弧をコントロールすることが出来ます。
  2つ目は、体を捻る反動で板を回すという動作からは、板を踏んで回すという技術に進みにくいということです。後傾の所でご紹介した、後足を蹴り出して板の向きを変える滑り方に近い所があります。体の動きを使って板を回すという点では、身体と板が同じ方向に回る滑り方でも逆ひねりでも同じではありますが、逆ひねりの体の使い方では、よりレベルの高い滑りであるカービングターンにはたどり着きにくいということです。

ターンの弧が丸くない

ターン弧

 練習の最初の段階では、とりあえず回れればOK牧場なわけですが、慣れてきたらキレイな弧で滑りたいものです。上手な方はスムースに丸い弧を描いて滑るわけですが、初級者さんはなかなか丸く回れません。ありがちなのは板が下を向いた後、一気に板が横向きまで回ってしまい、直滑降からの横滑りみたいになってしまうパターンです。写真のように、丸く回れていないんですね。
 これは滑り慣れてくるうちに少しずつ改善されてくると思いますけどね。視線をフォールライン方向に固定せず進行方向に向けていくことや、身体をゆっくり回すように意識すると良いでしょう。

[参考] ・連続ターン1 練習の前に
フロントサイド
バックサイド
フォールライン
カービングターン

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