長野県警レスキュー最前線

 リスクを恐れるくせに対策は甘い男、エス氏。

 みなさんこんにちは。エス氏です。今回は「長野県警レスキュー最前線」のご紹介です。
 本格的にバックカントリースノーボードをはじめるべく、まずは夏山から登って少しずつ登山に親しもうというアプローチをしているエス氏です。山登りの経験が浅いので、山での事故や遭難等のリスクについて把握できていないこともあり、知識を増やそうと思ってこの本を手にとりました。

 この本は救助隊員の方々が、自分の経験とそこから得られた教訓を語る内容となっています。全体を通じ、救助する方も命懸けで頑張ってんだから無謀な登山で安易な救助要請すんじゃねーよ、と訴えておりますな。様々な状況で事故が発生していることが書かれており、勉強になりました。

 本書では、山は本来自己責任で登ることが大前提のはずですが、そんな当たり前の意識が最近ではすっかり薄れてしまっているようだといいます。思うに自己責任の意味を理解していない人が多いのではないでしょうか。
 自己責任といえばDQNの川流れ事件日本人の人質事件が有名ですな。自分の行動の責任は自分にある、という当たり前のことです。リスクがある山に入って事故があってもそれはお前が悪いんだよ、ということですね。

 ゲレンデでよくある勘違いが、滑走禁止区域は自己責任で滑ってもいい、というものですな。滑走禁止区域は滑ってはいけないのです。ここで自己責任という言葉は、スキーヤーやスノーボーダーがスキー場管理者に対し「オレたち自己責任で滑るんだから文句いうな」という使い方ではなく、スキー場管理者がスキーヤーやスノーボーダーに対し「お前らが死んでも自己責任だからオレは知らねーよ」という使い方が正しいかと思いますな。リスクを負っているのが誰なのかをよく考えた方がいいですのう。
 といいつつエス氏もリスクを冒して山に行くわけですが。

 「自己責任は自己を起こしたときだけのことではなく、登山をする前に自分がやるべき準備として、知識、技術、体力をきちんと身につける責任がある」という本書の言葉を肝に命じたいと思います。

 バックカントリーが流行っており、スキーヤーやスノーボーダーが雪崩の危険がある斜面に入っていっては遭難するという自己が増えているそうです。スノーボーダーが遭難したというのはもはや冬の風物詩ですからね。まさに未来のエス氏ですの。
 救助する側としては、好き好んで危ないところへ行くアホな連中のために自分たちも危険にさらされるというのは、なかなか切実な悩みのようです。エス氏も救助隊の方々にご迷惑をかけないようにしたいものですな。

 救助隊員の方々は人の命を助ける仕事に大きなやりがいを感じているようです。女性の隊員も登場しますが、やはり体力的な面で男性隊員には敵わないようですな。
 彼女たちは当初男性隊員との力の差に悔しい思いをするわけですが、やがて女性だからこそできることや救助のサポートと行うことで活躍するようになります。遭難者を救助する仕事はやりがいがあるでしょうが、それもサポートするチームがあってのことですからね。前向きに努力する姿勢に好感が持てますのう。

 長野県では登山者の安全のために、ヘルメットの着用を推奨しているようです。エス氏もスノーボードでは着用を考えていましたが、山登りでも検討したいと思います。二つ買うのも邪魔くさいので、兼用できるといいんですけどね…。

 というわけでなかなか興味深く読めた本でした。大勢の隊員の手記が載っているので、一人一人の話が短くて読みやすいのもいいですな。警察や民間の救助隊、山小屋の従業員など多くの方が救助に関わっていることも知りました。頼もしいと思いつつも、なるべくお世話にはなりたくないものですね。
 でも遭難して背負ってもらうことがあるかもしれないので、今のうちにダイエットしておいた方がいいかしら。

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