オフトレ 登山編 武尊山 百名山15/100

山は危険です。

1武尊山

 みなさんこんにちは。エス氏です。2016.6.12は群馬県の武尊山に登ってきました。今年2つめの百名山ですが、かなり痛い目にあってきましたわ…。

 武尊山という山はあちらこちらから登れる山なのですが、エス氏は川場スキー場のすぐ脇にある登山道を登るルートを選びました。なぜなら、川場村観光協会のホームページにこのコースが初心者向けと書かれていたからです。登山道が整備されていて安全とか。

川場村観光協会

 この初心者コースのコースタイムは往復で8:50ほどとかなりの長丁場。まあ初心者コースなら、急げは6:00くらいで行けるんじゃないかしら。なんて考えていたあたりからしてかなり舐めていたと思います。

 前日はスノーヴァでハーフパイプキャンプに参加しておりましたが、ハイクを控えて疲れが残らないようにしました。それでも多少は疲労しましたけどね。早朝出発する予定だったので20:00には寝たのですが、なぜか21:00に目が覚めてしまい、その後眠れなくなってしまいました。2:00にベッドから出ましたが、この睡眠不足は山で効いてきましたね。

2武尊山

 2:30自宅を出発。道は空いていたので移動は順調でした。
 4:00に上里SAで朝食。炒飯と餃子を食べましたが、これ程不味い炒飯を食べたのは久しぶりでしたね。

 沼田インターを降りたところにあるローソンで以下の食料を揃えました。
水2.0L
カップラーメン
ゼリー飲料
カロリーメイト2本入り
グミ

 本当はおにぎりも買おうかと思ったのですが、ダイエット中なので食べ物は控えめにしておきました。水は1.5Lで十分だと思いましたが、念のため予備を持って行くことに。結果的にはギリギリでしたね。

3武尊山

 5:20駐車場到着。川場スキー場の少し手前にある駐車場ですが、道路脇にだだっ広いスペースがあるというだけの駐車場です。エス氏を含めて車は3台だけでした。

 駐車場の目の前に登山道の入り口があります。エス氏が準備をしていると、男性が1人山に入って行きました。もう1人いたおっさんもエス氏より先に出発。エス氏は5:40に出発しました。

4武尊山

 登山道の入り口には登山カードとペンが置いてあり、届出ができるようになっていました。

5武尊山

 舗装された道を進みます。

6武尊山

 ここはサバゲーのフィールドなんですね。営業しているのかよく分かりませんが。

 先行していたおっさんがあらぬ方向へと歩いて行き、エス氏も釣られそうになりましたが、間違えずに登山道へ。案内板には消費カロリーが3120kcalとの記載が。持っている食料全部合わせても1000kcalもありませんぞ。まあダイエットにはなりそうですな。

 さて、初心者コースをちゃっちゃと登ってクリアする予定だったので、休憩を入れても12:00位には下山するという目標で進みました。

 このコースの前半は川場スキー場の脇を歩くことになります。登り始めはゆっくり歩いて身体を慣らすようにしていますが、どうにも足取りが重く感じました。睡眠不足が効いているようです。長丁場の序盤だというのに、ドラゴンボールに例えるとすでに10倍界王拳を使っているのにボコられているようなものでしょうか。先行きが不安になります。

 いきなり道を間違えていたおっさんが後から登ってきました。ガラガラと熊除けの鈴を鳴らしているのですぐに分かりました。歩くペースはエス氏より微妙に速そうです。時々ストックを打ち鳴らしているような音が聞こえますが、一体何をしているのやら。

 エス氏が立ち止まってひと息入れているとおっさんが追いついてきました。
「いやあ、今日は暑いですね〜。」
 見ればおっさんは汗だくでした。確かにこの日は予想以上に暑かったのです。天気予報では曇りで、午後から雨になるということでした。実際には午前中はいい天気でしたね。

 少しおしゃべりをしてから出発。今度はおっさんが先に歩いて行きました。どうもエス氏はスローペースです。

7武尊山

 6:25高手山山頂到着。まあ最初のチェックポイントのようなものですな。

 歩いていると時々ゲレンデが見えます。リフトが動いていればずいぶん楽に登れるでしょうに。登山道はつづら折りが続く単調なもので、虫がブンブン飛んでいてウザキモかったですわ。歩いているのはエス氏とおっさんの他は、先行した男性だけでしょうか。初心者ルートの割には人気が無いようですな。

 少しずつ歩くペースが上がってきましたが、喜ぶ気にはなれませんでした。これがクライマーズハイ状態だとしたら…いくら何でも早すぎます。まだ前半だというのに、いきなり切り札を使っているようなものですからね。ともかくこのモードが終了しないうちに距離を稼ぐことに。

 その時、登山道の前方で黒い塊が動くのが見えました。

 (何だあの黒いのは。動いた。え?熊?嘘だろ…。小さいな、子熊だ。真っ黒だな。こっち見てる。どーすんだこれ。襲われたらヤバイ?鈴を鳴らしたら逃げるかな?チリンチリン。そうだ写真撮っておこう。あ、逃げた。速っ。けっこう可愛い。写真撮れなかった。登山道の先に逃げたぞ。)

 子熊との距離は7mくらいでした。右に曲がった登山道の先に子熊は走り去りました。

 (子熊がいるってことは絶対親熊もいるよな。どうする、引返して逃げるか。もし追ってきたら?熊からは逃げられないんじゃなかったか。戻ったらもう登れないぞ。なら進むか?)

 私は登山道を先に進みながら考えました。

 (角を曲がった先に親熊がいるかも。いたらどうする?怖っ。鈴で逃げてくれるか?鳴らしながら行こう。先にはおっさんがいる。熊がいることを知らせないと。おっさんは大きな音がする鈴を持ってたな。2人で鳴らせば熊も離れていくかも。)

 角を曲がると子熊の姿は見えませんでしたが、藪の方でガサガサという音が遠ざかっていくのが聞こえました。どうやら登山道から外れて逃げて行ったようです。エス氏は足を速めておっさんに追いつきました。

 「今、下で子熊がいました!鈴を鳴らしたら逃げて行きましたが。」
 「え!ホントですか!さっき後ろの藪の方で音がしたから何かいると思ったんですが、その子熊ですね。」

 近くに親熊がいるはずなので、我々はその場を離れることにしました。

 「あの。一緒に行きましょう。」

 こうしてエス氏とおっさんは2人して山頂を目指すこととなりました。おっさんは北海道で羆にビビりながら山登りをしたこともあるそうで、エス氏よりも落ち着いていました。ストックを打ち鳴らしていたのも熊対策だったようです。なるほど…。聞けばおっさんも百名山をやっていて、武尊山が70座目というエス氏の大先輩でした。初っ端から道間違えたからてっきりショボいおっさんだと思っていましたが、エス氏よりも経験値ははるかに上でしたね。

8武尊山

 8:15西峰到着。さらに進むと川場スキー場のリフト(クリスタルエクスプレス)が見えます。これだけ歩いてまだスキー場の隣とは。

9武尊山

 尾根沿いを進みます。アップダウンがキツかったですな。途中でおっさんは足が攣ってしまいペースダウン。先に行ってくれというおっさんとのんびり歩くエス氏。だって1人だと下山するときに熊が怖いですからね。

10武尊山

 9:10剣ヶ峰到着。当初の予定では山頂に着いてるくらいの時間ですな。ここからもアップダウンが続きます。おっさんの足は下りは大丈夫のようですが、登りがダメでしたね。

11武尊山

 途中分かれ道がありました。宝台樹側から登るルートのようですな。こちらから登ってくる人は大勢いました。

12武尊山

 山頂下まできました。あと一息、最後の登りです。

13武尊山

 ガレ場を登るのに一苦労でしたが、下りの方が大変でしたね。

14武尊山

 10:40山頂到着。山頂には20人ほどの人がいました。山頂までのルートが複数あるので、あちこちからどんどん人が集まってきていましたね。

15武尊山

 剣ヶ峰を振り返ります。またあのトンガリまくったところを登るのかと思うと気が重くなりますな。

22武尊山

 ランチは1人でカップラーメン。今回はちゃんぽんではありませんぞ。おにぎりも買えばよかったと後悔しました。カロリーメイトはすでに食べてしまい、残された食料はウィダーインゼリーとグミが半分くらい。水は600ml程度しか残っていませんでした。帰りの行程を思うと、水不足が心配でしたね。

 11:20おっさんと下山開始。アップダウンの連続に体力を消耗し、水の残りがどんどん少なくなっていきます。

16武尊山

 12:35剣ヶ峰到着。少し進んだところにあるベンチで休憩していると、女性が1人で下って行くのを見かけました。このルートを歩く人は我々を入れて4人目ですな。

 おっさんは武尊山が今年2回目の登山ということで、川場村のホームページを見て足慣らしに初心者ルートを選んだそうです。エス氏と同じですな。初心者コースとはいうものの、おっさん曰くこのキツさは北アルプスの山々に匹敵するとか。同感ですね。難しい場所はありませんが、この距離とアップダウンは到底山登りの初心者向けとはいえないものです。だからこのルートで登る人が4人しかいないのでしょうね。
 おっさんもこのルートを舐めていたようで、トレーニングの為に余分な荷物をあれこれ持ってきたことを後悔していました。2人とも、もう二度とこのコースで登ることはないだろうと思います。

17武尊山

 辺りは雲に覆われてきました。天候が悪化する前に下山した方がよさそうですな。

18武尊山

 下山の途中、子熊に出くわした辺りを歩く際はさすがに緊張しました。下りは身体が揺れ、2人とも鈴が大きく鳴っていたのがせめてもの気休めでしたね。

 つづら折りを下る途中、徐々に左の膝が痛みはじめました。おっさんは登り、エス氏は下りで足に爆弾を抱えることに。ここまで下りるとアップダウンも少なくなりますが、おっさんの足はちょっとした登りでもキツそうでした。

 15:00高手山到着。ここまで来ればゴールもすぐです。膝の痛みに耐えながら歩きました。水は最後まで持ちましたが、余分に持っていたおっさんが分けてくれたので余裕ができましたね。

19武尊山

 15:30駐車場到着。どうにか下りてこられました。この疲労感は白馬岳以来ですな。着替えていると山の上の方で雷が鳴っていました。天気が保ってくれて助かりました。
 おっさんには何度もお礼をいいました。ベテランのおっさんが同行してくれたのは心強かったですわ。お互い名乗り合ったりはしませんでしたが、こういう出会いもいいものですな。

20武尊山

 おっさんと分かれて、エス氏は温泉へ。駐車場から少し下ったところにあるふじまやの温で汗を流しました。

21武尊山

 この温泉、以前も入ったことがありますな。

ふじやまの湯

 食料不足でお腹が空いていましたが、食事はせずにまっすぐ帰宅しました。寄り道する余力なし。自宅に到着したのは20:00ちょうどでした。近所の店で食事をし、はやめに就寝。翌朝体重計に乗ると、体重は出発前から1.2kg落ちていました。

 今回は、山を舐めていたことを猛省する必要があります。6:00で攻略するなど到底無理で、10:00もかかってしまいました。水も食料も余裕なし。今後はさらに熊対策も考えないといけませんね。

 熊といえば、あの時の自分の判断が正しかったのか、自信がありません。子熊が登山道の奥に逃げた時、私は引返して下山するべきだったのではないでしょうか。親熊がいる可能性がある登山道の先に進んだのは無謀だったような気がします。考えてから進んだのではなく、進みながら進んでいる理由を考えていたと思います。なぜあの時進んだのか、自分でもよくわかりません。リアルに身の危険を感じましたわ。

 まあ反省点は多々あるものの、結果的には目標達成しているので良しとしますか。

熊

オフトレ 登山編 日本百名山 まとめ

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6 件のコメント

  • 熊に出会いましたかー!
    このシーズン怖いですよねー。
    俺も先月山登ってたんですが、近くで熊の目撃情報もあって銃声らしきものも聞こえたし山開きもしてないしでかなりビビりながら歩いてたら予定の2倍位の時間がかかりました・・・
    熊鈴とホイッスル鳴らしまくりでしたw

  • >kyompiさん
    まだ子熊でよかったですけどね…怖かったですわ〜(ーー;)
    銃声とか凄いですね(・・;)私もこれからは大きな音が出るアイテムを装備することにします…。

  • 登山お疲れさまでした
    川場のトップから見えるあの雪の山が緑だと全然別物に見えますね!
    ショボいおっさんで笑わせてもらいました

  • こんにちは。昨年の8月19日のブログ開設59ヶ月の記事に熊と遭遇する事を予見されてましたよ。さすがっス。

  • >さささん
    川場スキー場の動かないリフトが恨めしかったです…(ーー;)
    おっさんとの山登りはいい思い出ですね(^^)

  • >イトチンさん
    …ホントですね!書いた本人はすっかり忘れてましたが、よく気がつきましたね…流石です*\(^o^)/*

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