スノーボードとマイクロツーリズム

 みなさんこんにちは。エス氏です。けっこう寒くなってきましたねぇ。スノーボードシーズンも近づいているようで嬉しくなりますな。寒いけど。

 シーズン前ということで、みなさん新しいギアを買ったりして盛り上がっていると思いますが、エス氏の場合は宿の予約で盛り上がっております。Go To トラベルで宿泊料金が安くなりますからね。温泉旅館大好きおじさんのエス氏はうれしくてうれしくて、宿の予約をしまくってしまいましたわ。

 Go To トラベルがはじまった当初は、コロナの感染拡大だの東京除外ってどうなのよといった問題もありましたが、結果的には大勢の人が利用しているようなので良かったのではないでしょうか。星野リゾートはGo To トラベルを利用して、シーズン券と宿泊がセットになったプランを出して話題になりましたな。とても賢いやり方だと感心してしまいましたぞ。

 この星野リゾートのシーズン券付き宿泊プランにはなぜか批判的な人がいるようなので、今回の記事ではGo To トラベルを利用したスノーボードの楽しみ方について、エス氏なりの考えをご紹介したいと思います。

マイクロツーリズム

 マイクロツーリズムとは、自宅から近い場所、地元や近所で観光を楽しむことです。海外旅行や飛行機に乗って北海道や沖縄へ、という旅行はマイクロツーリズムではありませんね。都会に住んでいるスノーボーダーが滑りに行くのも違います。

 星野リゾートではマイクロツーリズムを以下のように説明しています。

遠方や海外への旅行に対し、3密を避けながら地元の方が近場で過ごす旅のスタイル。自宅から30分〜1時間程の距離で、安心、安全に過ごしながら地域の魅力を深く知るきっかけになり、地域経済にも貢献します。保養目的で旅館やホテルに行き、温泉や自然散策、料理を楽しみ、活力を取り戻す滞在旅行です。

星野リゾート

 コロナ禍では県をまたいだ移動は自粛するよう求められ、観光業が大きな打撃を受けてしまったのはみなさんも知るところです。Go To トラベルは観光関連産業を支援するための経済対策として、旅行などの需要を喚起するためにはじめられているわけですな。SNSで勘違いしている人がいましたが、貧困に苦しむ人を救うための事業ではありませんぞ。

 県をまたいだ移動ができないなら、ご近所へのマイクロツーリズムをしませんか、というのが星野リゾートからの提案というわけです。星野リゾートでは、マイクロツーリズムの商圏は県境をまたいでいるので、自粛するエリアは県ごとではなく商圏ごとにして欲しいとなっていますけど。

 星野リゾートでは早い段階からこのマイクロツーリズムを提唱し、実際にかなり効果を上げているようです。コロナ禍の影響でインバウンドが消えてしまったわけですが、もともと日本の観光産業におけるインバウンドの消費額はそれほど大きくはなかったようですね。海外旅行していた日本人を含め、国内旅行をする人が戻って来れば売上を回復できるだろうということですな。

 星野リゾートは星野リゾート・リート投資法人を上場していますが、コロナ禍で急落した投資口価格が回復しきれていないリートが多い中、ホテル特化型のリートで順調に回復しているのは素晴らしいと思いますね。マイクロツーリズム戦略が成功している証だと思います。まあ東京、沖縄、北海道では苦戦しているようですけど。

Go To トラベル

 Go To キャンペーン事業の目的・概要は以下の通りです。

新型コロナウイルスの感染拡大は、観光需要の低迷や、外出の自 粛等の影響により、地域の多様な産業に対し甚大な被害を与えて いる。 このため、新型コロナウイルス感染症の流行収束後には、日本国内 における人の流れと街のにぎわいを創り出し、地域を再活性化する ための需要喚起が必要。 (まずは、感染防止を徹底し、雇用の維持と事業の継続を最優先 に取り組むとともに、)今回の感染症の流行収束後において、甚大 な影響を受けている観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテイメ ント業などを対象とし、期間を限定した官民一体型の需要喚起キャ ンペーンを講じる。

令和2年度観光庁関係補正予算

 続いてGo To トラベルの概要は以下の通りですね。

失われた旅行需要の回復や旅行中における地域の観光関連消費の喚起を図るとともに、ウィズコロナ の時代における「安全で安心な旅のスタイル」を普及・定着させる。

観光庁 Go To トラベル事業の概要

 要するに「自粛したら経済止まってヤバいことになってしまった。キャンペーンやるからみんなで経済回そうぜ。」ということですな。

 このようなGo To トラベルの趣旨からすると、星野リゾートがアルツ磐梯・猫魔のシーズン券付きの宿泊プランを打ち出したのは素晴らしいことだと思うんですよね。Go To トラベルで割安にシーズン券が手に入るなら、リピーターも増えるでしょうし、浮いたお金で美味しいものを食べたり新しいギアを買ったりする人もいるかもしれません。お得だから友達に勧めるかもしれませんよね。経済を回すってこういうことなんじゃないでしょうか。

 アルツ磐梯・猫魔のシーズン券付き宿泊プランを批判する人たちの理由はエス氏にはよくわからなかったのですが、特に理解できなかったのは地域共通クーポンについてです。クーポンの有効期限が翌日までだから、営業期間中使えるシーズン券のようなものにGo To トラベルを適用するのはルール違反だろう、という意見を見かけまして。

 Go To トラベルの補助は50%ですが、そのうち旅行代金(エス氏の場合は主に宿泊料)の割引は35%で、残りの15%は地域共通クーポンが配布されます。このクーポンの有効期限は宿泊日の当日と翌日までと短いんですよね。クーポンは貯めずに消費して欲しいというのは、経済を回して欲しいという趣旨からは理解できる内容です。

 シーズン券にGo To トラベルを使うのはずるいという意見は、これは観光庁の資料をみれば明らかですが、制度の趣旨を理解できていない意見かなと思いますね。スキー場のシーズン券にGo To トラベルや地域共通クーポンが適用できないというルールはないと思います。

 クーポンを使える対象が、その有効期限内に使えるもの限定というルールはありませんが、もしそうだとしたら大変です。クーポンを使って地域特産のお米を買ったら、その日のうちに食べてしまわないといけないのでしょうか。地酒を買ったら飲みきらないといけないのか。ありもしないルールに縛られるのは本人の自由ですが、Go To トラベルは甚大な被害を受けている観光業や日本経済を回復させることが目的だということをご理解いただきたいですな。

 ちなみにGo To トラベルで運転免許が取れるということについてもエス氏は賛成です。免許を取った人の何割かは車を買うでしょうし、買わなくても家族の車を使って旅行やドライブに行くかもしれません。旅行先では食事をして宿に泊まりお土産を買う。まさに経済を回す活動ですよね。

 なぜ星野リゾートはトマムでシーズン券付きの宿泊プランを出さなかったのでしょうか。理由はよくわかりませんが、アルツ磐梯・猫魔のシーズン券があるとトマムのリフト券も無料になるというのはけっこうすごいと思いますのう。

スノーボードとマイクロツーリズム

 スキーやーやスノーボーダーにはエス氏のように都会から宿泊で滑りに行くような人もいれば、地元雪国の人もいます。雪国の人が近所のスキー場で滑るというのはマイクロツーリズムといえるかもしれませんな。

 スキー場の運営形態はいろいろありますが、基本的には都会から泊りがけで滑りに来てくれる方が、その分お金を使ってくれるので嬉しいのかなと。宿泊型ではなく日帰り型のゲレンデもありますけど、地元の人は宿泊型のスキー場でも基本的に日帰りだと思うんですよね。エス氏はこれまでにも何度か書いていますが、都会から長距離を移動し、泊まりで(あるいは日帰りでも)スノーボードを楽しむというトリップと、ゲレンデ近くに住んでいる人たちとでは楽しみ方が違うのですよ。

 ゲレンデまでの距離が近い人であれば、スノーボードだけにフォーカスして楽しむことができるかも知れませんが、長距離を移動して宿泊するエス氏のようなスノーボーダーは、ゲレンデまでの移動、宿泊、温泉、食事、渋滞など様々なことを考える必要があります。これらを面倒だと思う人は雪国への移住や住み込みの仕事を考えるのでしょうが、エス氏はこれらを含めたスノーボードトリップを丸ごと楽しもうというスタイルなわけですね。

 マイクロツーリズム的なスノーボードを楽しむということであれば、地元の人も普段は日帰りのところを、物は試しで温泉旅館に泊まってみたりしてもいいのではないかと思いますな。普段は近場で滑っているところを、少しだけ離れたところへ行ってみて、日帰りするところを泊まってみる。エス氏的なスノーボードトリップを試してみるのに、Go To トラベルはいいきっかけになるのではないでしょうか。あの有名な旅館は、どれどれそんなにいいものなのか、割引になるなら試しに泊まってみるか。という感じ。

 ご近所での小さな旅を楽しむというマイクロツーリズム。スキー、スノーボードは元々マイクロツーリズム的なもを含んでいましたが、もう少し「旅行」や「宿泊」の要素を加えてみると面白いかも知れませんよ。その分経済も回るし。

20/21シーズン

 現在は出勤と在宅勤務とが半々くらいのエス氏です。電車に乗るとまだまだほとんどの人がマスクをしていますが、これはコロナを恐れているというよりも、もはや電車内でのマスク着用がマナーに近いレベルになっている気がしますね。もしくはコロナ脳に絡まれてることを避けるためか。エス氏はすでにマスクを付けずに電車に乗っていますが、絡まれたことはありません。本当はマスクを外したいと思っている人も多いのではないでしょうか。

 とはいえやはりスキー場や宿泊施設でのコロナ対策には万全を期さないといけないのでしょう(コロナ脳に対しても、コロナ脳に気を使っている人に対しても)。エス氏は正直まったく気にしていませんが、コロナ対策に文句をつける気もありません。昨シーズン大量に発生した「滑りに行くのを自粛しろ」というアホな人たちが今シーズンは出てこないことを祈るばかりです。勝手に自粛してろっつーの。

 昨シーズンは不足とコロナ禍でスキー場や宿泊施設の売上は落ち込んだと思うので、今シーズンはがんばって欲しいところですな。スキー場が営業中止になったりするのは寂しいものです。今のところインバウンドは期待できなそうですが、ウィンタースポーツ関連でインバウンドはどの程度の割合だったんでしょうね。日本の観光市場全体ではインバウンドは2割以下だったようですが。国内市場の方が圧倒的に大きいので、やはりGo To トラベルによる需要喚起は大きな効果があると言えるでしょう。Go To トラベルは2021/1/31までですが、スノーボーダー的にはぜひ3/31くらいまで期間を延長して欲しいものですわ。

 コロナ禍による働き方改革で、多くのサラリーマンがテレワークするようになりましたが、これはエス氏的には良い変化だったと言えます。通勤しなくていいのは楽ですし。雪国に住むスキーヤーやスノーボーダーも、コロナ禍をきっかけにマイクロツーリズムのような楽しみ方をしてみるのもいい変化なのではないですかね。

まとめ

 3月から「コロナより経済」とブログに書いてきたエス氏ですが、当時そのような意見を発信している人はほとんどいなかったと思います。自粛だなんだと大騒ぎしていた人たちが大勢いましたが、このところコロナで死ぬ人が多くないことがバレてしまい、コロナ祭りもすっかり下火になってきた印象です。先日はコロナ関連の解雇や雇い止めが63,000人を超えたというニュースもありました。コロナ!自粛!と騒いでいたら失業した、という人たちに今の気持ちを聞いてみたいですのう。だからコロナより経済だというのに。

 この「経済を回すことが大事なんですよ」ということをいまだに理解できていない人たちもいるようで。だからGo To トラベルを使ってシーズン券がもらえるなんてけしからんとか、車の免許取ることにウダウダ文句をつけるのかなと。そうじゃないんですよ。

 というわけで、今回の記事は「Go To トラベルを使って滑りに行こう」ということですが、さらにはマイクロツーリズム的な考え方で、雪国の人も「スノーボードトリップ」を楽しんでみてはいかがでしょうか、という内容でした。新しい楽しみ方でより経済を回してみてはいかがでしょうか。

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