The Bakery Snowboards ビール瓶ボード インプレッション

 みなさんこんにちは。エス氏です。今回は20/21シーズンにエス氏が乗っていたThe Bakery Snowboardsのビール瓶の形をした板の感想をご紹介しますよ。

The Bakery Snowboards/ベーカリー

 ベーカリーはドイツのミュンヘンのブランドですな。すべてハンドメイドで作っているそうです。日本には18/19シーズンから上陸ということで、ドリームゲートが代理店です。

ビール瓶の板

 一応20/21シーズンに買った板ではありますが、特にこのシーズンのモデルというわけではなく、そもそもモデル名もよくわかりません。動画を見て一発で欲しくなってしまったんですよね。唯一無二の強烈な個性の板だと思いますわ。いつもお買い物をしているエフジャンクの入り口にこの板は飾られており(古い店舗の方では)、店長に相談したところ注文を受け付けてくれました。日本にはエス氏の板以外にも何本か入ってきているようですな。

 サンプルよりもカラーが薄いですね。モデル名もわからないこの板、実はサイズもわかりません。140cm以下なんじゃないかしら。かなり短く感じます。

 オプションの栓抜きもついていました。前足側のインサートホールのさらに先にネジ穴があり、そこに取り付けることができますよ。ちなみに栓抜きとして実際に使用してみましたが、信じられないほど使いにくいです。世界一大きなクソ栓抜き。

 さて実際に滑ってみるとどのような乗り心地なのでしょうか。普段はハンドメイドの最高性能の板に乗っているエス氏ですが、同じくハンドメイドとはいえこの板に性能は求めていませんでしたよ。まさかこれほどまでに乗りにくいとは思いませんでしたが。

 フレックスは柔らかいです。ノーズに圧をかけるとへし折れるんじゃないかという不安が常にありましたね。テールは短すぎてオーリーはやりにくく感じましたな。もともと短いサイズの上に有効エッジはさらに短く、安定感は皆無でしたのう。ある程度慣れてきたつもりでも、グラトリをやるのはかなり勇気がいりましたね。滑っていてこれほど不安定な板がかつてあったでしょうか。

 安定性と引き換えに操作性を高めている、なんてこともありません。ターンできずに何度転んだことか。板を立てるとコントロールを失いすぐに転倒してしまいます。安全運転で知られるエス氏ですが、30m滑る間に2回転んだこともありまして。はじめは前足に乗ってテール側を動かすという乗り方をしていたのですが、これは全くダメでした。なんとなくサーフライドっぽく滑りたかったのですが。完全の後ろ足に重心を移し、極力板を立てずにずらして滑る。ようやく見出したこの乗り方でようやく転ばずに滑れるようになりました。いつかこの板でカービングできる日が来るのかしら。これほど曲がりにくい板がかつてあったでしょうか。

 パウダーも滑ってみました。この板を見た人は「これは一体何用の板なんだ」という疑問を持つようで、パウダー用かと聞かれることもありました。断言しますが少なくともパウダー用ではありません。コース脇の非圧雪部分に入ってみると、どんどん板が沈んでいきます。パウダーボードのような浮力があるとも思っていませんでしたが、これほど浮かないとは。ハンマーヘッドの板の方がよほど新雪を滑りやすいですぞ。すぐに脱出しないと埋もれるという怖れから、コース脇ですら積極的に新雪を楽しむことはできませんでした。けっこう広い非圧雪エリアを前にしたこともあったのですが、この板で滑ることに恐怖すら感じましたわ。これほど浮かない板がかつてあったでしょうか。

 なるほど。つまりこの板は見た目の面白さが全てで性能的にはクソなんだという結論に達するまでに時間はかかりませんでした。それでもいいのです。この愉快な板でタラタラ滑るスノーボードはそれはそれで楽しいのですよ。

 この記事を書いている時点ではまだ未更新の20/21シーズンのエス氏ツアー4では、参加メンバーたちにもこの板に乗ってもらうというエピソードが登場します。JMやしまぼしなどがこの板に苦戦する中、女性メンバーたちは意外にも普通にこの板に乗れていることが判明しました。サイズ的にもしかして女性の方が乗りやすいのかしら。マツザワ師や変態カービング軍団ならこの板をどう乗りこなすのかも気になるところですな。

 この板は本当に買ってよかったですね。普段とは違うワクワク感があるわけですよ。性能的にはクソ板としか思えませんが、それをはるかに上回る愉快な板なのです。唯一無二のビール瓶ボード。いつかは乗りこないしたいものですね。

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2012年10月12日

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