ビンディングのアングルとハイバックについて補足
みなさんこんにちは。エス氏です。今回は、アングルとハイバック調整の補足です。記事を読み返してみたら、説明不足な部分がありました。ご参考までに。
アングルを前に向けると、板を方向け易くなる?
アングルの説明の際に、次のように書きました。
「アングルを前向きにすればするほど、つま先と踵は板の中心に近づくことになります。逆に、アングルを横向きにすると、つま先と踵は板の中心から離れ、エッジに近づくことになります。
アングルを前に向けるメリットは、身体を進行方向に向け易くなることです。また膝も前を向くので、板を傾け易くなり、エッジを立て易いというメリットもあります。デメリットは、エッジに力を入れ難くなることです。
スノーボードの操作はエッジによって行うので、エッジに力を入れるということから考えると、アングルは横向きの方が有利といえます。エッジに近いところに、拇指球や踵がある方が、板に力を入れて踏み易いでしょう。板の太さと足の大きさを無視すると、アングルが0度のときが最もエッジに力を入れ易いといえます。アングルを横向きにするデメリットは、板を傾け難くいということです。」
はて、いったいなぜそうなるのでしょうか。その辺りのご説明がすっぽり抜けておりました。改めてご説明させて頂きます。
Q:膝が前に向くと、板を傾け易くなる?
A:アングルが0度の場合を考えてみましょう。ビンディングは進行方向に向かって真横を向いている状態です。この時膝も当然真横を向いているわけですが、その状態で膝を左右に倒すと、当然膝はノーズとテール方向に倒れますね。これでは板は傾きません。
しかしアングルが大きくなって、膝が前を向くようになるとどうでしょう。前を向くといっても、アングルが90度ということはなく、せいぜい30度くらいなので、真横よりは斜め前を向いているという程度ですが。それでも膝が前を向くと、膝を左右に倒した際に、フロントとバックのエッジ側に膝が倒れることになります。膝がエッジ方向に倒れれば、反対側のエッジが浮く、つまり板が傾くことになります。
板を傾けるには、つま先を持ち上げたり踵を浮かせたりする方法があります。これは足首を使って板を傾けているわけですが、アングルを前に向けると、足首だけではなく膝も使って板を傾けることが出来るようになるので、その分板を傾け易くなるのです。
Q:アングルは前後で違うけど?
A:
・アングルが大きい=膝が前を向く=板を傾け易い
・アングルが小さい=膝が横を向く=板が傾け難い
ここまではご理解いただけたでしょうか。では次のステップです。以前ご紹介した、かつての私のアングル、前30度:後0度というアングルでは、はたして板は方向け易いのでしょうか。
前足の30度は、フリースタイルではほぼMAXのアングルだと思います。後足の0度は、足首だけで膝が使えない、傾け難いアングルでした。ダックスタンスの場合は、スイッチスタンスで若干板を傾け易くなりますね。
この場合アングル0度の後足で板を倒すためには、足首を動かすしかありません。足首+膝の傾きで板を倒す方が、当然大きく倒れます。30度の前足は、足首と膝の両方が使えます。前足と後足で板の倒れ方が異なってしまうわけですね。
私の例は極端ですが、一般的に前足と後足のアングルは異なっており、前>後となっているはずです。多かれ少なかれ、みなさんこの問題を抱えていることになります。
この状態はカービングターンで滑る際には都合が悪いのですが、初心者の方はとりあえず気にしなくても良いでしょう。板を傾けて滑るようになるのは、中級レベル以降の話ですので。
ですが、一応改善策を書いておきましょう。アングルの小さい後足のハイバックを、前足よりも前傾させるのです。
ハイバックを前傾させる方が、てこの原理で板を傾け易いと以前ご紹介しました。ハイバックの前傾きが大きくなる方が、少ない動きでも板を動かすことが出来ます。アングルの小さい後足でも、ハイバックのサポートがあれば、板を傾け易くなるでしょう。
中級レベル以上になって、カービングターンを重視したい方は参考にしてください。グラトリやらフリースタイル系重視なら、あまり気にしなくてもいいようなお話でした。どちらにしろ初心者向けではありませんでしたが、レベルが上がった時に思い出してください。
<<ビンディングのストラップの調整 スノーボードの初心者向けビンディングの取り付け方(まとめ)>>
コメントを残す